タイトル:東芝の悲劇
出版社:幻冬舎文庫
著者:大鹿靖明
カテゴリー:ビジネス書
評価:★★★☆☆
目次
- 本書の概要
- 本書の感想
- 関連書籍など
本書の概要
本書の目次構成
- 第1章 余命五年の男
- 第2章 革命の真実
- 第3章 奇跡のひと
- 第4章 原子力ルネサンス
- 第5章 内戦勃発
- 第6章 崩壊
本書の概要
虚栄。嫉妬。粉飾。責任逃れ。
社員20万人を擁する名門企業の、かくも無様なトップたち。
これは日本の悲劇でもある。
東芝崩壊の全真相がわかる、決定版・調査報道ノンフィクション。
粉飾決算、原子力事業の失敗、主力事業の切り売りと、
日本を代表する名門企業が瀕死の危機に瀕している。
東芝の凋落は、経済環境の変化や技術革新に対応できなかったからでなく、
強大なライバルの出現により市場から駆逐されたからでもない、と著者。
20年にわたり東芝を取材してきた著者が、
歴代社長の「人災」という視点から、東芝崩壊の全貌を生々しく描き出す。
権力に固執し、責任をとらず、決断できないリーダーたち。
これは今まさに、あなたの会社でも起きている現実かもしれない。
全サラリーマン必読! 第一級の調査報道にして衝撃のヒューマンドキュメント。
※引用元はこちら
上記はAmazonの紹介文から引用させていただきました。
この紹介文に惹かれてポチったのもまた事実。記載の通り、とにかくトップの人事がよくなかったことで、名門・東芝は沼にハマっていきます。
ここに書かれている以上に、その醜態を鮮やかに描いており、読んでいてある種の爽快感すら覚えるような没落ぶり。
ぜひ手に取って欲しい一冊です。
本書の感想
とにかく、「腐敗」。これが最も印象として残っている感想です。
データサイエンティストになった今では、このような「腐敗」を目にすることは無くなったのですが、データサイエンティストになる前の職場では、これに近いようなことが起きていたのではないかと思うくらいの職場環境でした。そんな職場環境が嫌で、転職しデータサイエンティストとなりました。
トップの独断だったり、それに付き合わされる、優秀な部下たち。何がそうさせているのか。高い志や明るい未来を夢に見て入ってくる、新卒の若者たちが「昔、東芝も色々あったけど、言っても大企業で今もしっかりとした存在感あるし」と考えるとそこは落とし穴。
「こんなはずじゃなかった」と、当事者でない人がどれだけ思ったか。経営者の責任は非常に重く、改善されなければならない由々しき体質であると感じました。
さて、こんなにも酷評な東芝ですが、2021年ではまだまだ問題が山積のようです。
https://the-owner.jp/archives/6046
こちらのサイトにまとめてありました。気になる方は是非チェックしてみてください。
本書、とにかく社内政治などが克明に記されており、非常に面白かったとも感じる一冊でした。国産の名門大企業がこのような腐敗によってもがいている姿は見たくないです。しかし、物語として見るにはできすぎているくらいであるも感じました。
例えるなら「半沢直樹」の倍返しがないような状態。
潰したり潰されたり。勢力を拡大したり衰退したり。この派閥から有力になれば、あの派閥も台頭して…など。
正直なところ、そういった観点では楽しめました。
関連書籍など
- 東芝の悲劇(著:三鬼陽之助/光文社)
- なかなか手に入らないですがこちらからどうぞ
- 本書と同名の書籍がずいぶん昔に発売されているようで、本書はそのオマージュでもあるようです。
- 私自身読んでおりませんが、ぜひ機会があれば読んでみたい一冊です!
コメント