大本営参謀の情報戦記
出版社:文藝春秋
著者:堀栄三
カテゴリー:歴史
評価:★★★★☆
目次
- 本書の概要
- 本書の感想
- 関連書籍など
本書の概要
本書の目次構成
- Ⅰ 陸大の情報教育
- Ⅱ 大本営情報部時代(一)
- Ⅲ 大本営情報部時代(二)
- Ⅳ 山下方面軍の情報参謀に
- Ⅴ 再び大本営情報部
- Ⅵ 戦後の自衛隊と情報
- Ⅶ 情報こそ最高の”戦力”
本書の概要
本書は、実際に参謀として第二次世界大戦を駆け抜けた堀栄三さんの回顧録になります。
これでもか、と言うほど杜撰な日本軍の情報に対する姿勢に読んでいてあんぐりが止まらない一冊です。
前述の目次にも記載している通り、大本営で参謀として従軍し、次に前線へと配置が変わり、机の上だけでは分からなかった”現場”を目にして、再度大本営へと戻ってきます。
その二つの経験を、鮮明に記載した本書は、その回顧録に留まらずに現代への警鐘として話を展開しています。
しかし、本書が出版されたのは1990年代後半ですので、若干話が合わない部分があります。その点では現代の課題感などに自分で変換して考える必要があります。
それにしても、良書でした!
ぜひ、データサイエンティストを目指す方は手に取って欲しい一冊です。
本書の感想
中の人が、本書を読んだ理由は、どこだかの記事で本書を読まなければ「データサイエンティストを語るな」と言うような口ぶりで書かれている記事を見かけたことがあったからです。
今よりも駆け出しだった際に、この情報に触れたので、藁にもすがる思いで本書を読みました。
結果としては、非常に良い書籍だったなあと感じております。
個人的には、第二次世界大戦・太平洋戦争などは非常に好きなので、自分の仕事との内容が一致する奇跡の本に巡り会えたと感じています。
そして、本書を読んで思ったことは、やはり太平洋戦争下での日本は”異常”だったんだなあとまざまざと感じるものでした。
当時の常識でも、今の非常識と言うことは今でもたくさんありますよね。身近な例で言えば「根性論」ですかね。私も部活ではめちゃくちゃな根性論と謎の連帯責任で、悪くもないに必要以上に走らされたものです。(…当時はもう水飲むのはOKでしたがw)
さて、話を戻しますが、本書では名もなき一兵卒から見た日本軍を見ることもできるので、また違った楽しみ方もあるのかなあと考えています。
やはり太平洋戦争のお話では、有名な軍人や政治家など戦犯として扱われるような人物にスポットライトが当たりがちですが、堀栄三さんのような人物から見た日本軍の中枢を記述した本書は、そう言った点で非常に良書なのかなと考えています!
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