本記事では、データサイエンティストに資格が必要か否かを真剣に考えます。もちろんデータサイエンティスト全員に当てはまるような答えはないですが、どんな人の場合には必要で、どんな人の場合には不要かなどを考えます。
時間のない方向け 本記事のまとめ
- データサイエンティストに有用そうな資格はある
- 資格が有用な人は、状況によって変わる
- データサイエンス未経験の人
- SES系の人
- 体系的に学びたい人
- なぜ資格不要論は発生するのか
- 勉強と実務は違うから
- 取得に時間がかかるから
- 取得していないことを正当化したいから
データサイエンティストに有用そうな資格一覧
私の知る限りでの、データサイエンティストにとって有用そうな資格は以下の通りです。
知る限りだとここら辺が、「もしかしたら」有用かも知れません。ただし必ずしも必要かと言われると必要なことはありません。大切なのはやはり実務でのアウトプットや経験です。
これらがない人は、資格を取得することで基礎は理解しているよ、ということをアピールできるかと思います。
資格が役に立つ場面を考える
では次に資格が役に立つ場面を考えてみます。次のような場面に該当する場合は、データサイエンティストとして資格の取得を検討した方が良いかも知れません。
データサイエンティスト未経験
未経験の方は、間違いなく資格をとって損はないかと思います。
特にどれか一つタダで取れるというなら、個人的には「統計検定準1級」が最もおすすめです。G検定ではありません。
なぜかというと、おそらく一番舐められない資格だからです。難易度も高く、経験の有無だけではまず取得は無理だと考えられるからです。加えて、統計検定準1級の取得をカバーしたような通信講座などもほぼ皆無と言っても過言ではありません。
統計検定準1級の資格の話ばかりになってしまいましたので、話を戻します。
未経験データサイエンティストの場合は、候補として挙げた資格は取れる限り取ったほうが良いと思います。
まずデータサイエンティストになる前に①DS検定②基本情報あたりの取得がおすすめです。可能ならば③統計検定2級も取得できた方が絶対良いです。
データサイエンティストになった後は①統計検定2級②統計検定準1級③応用情報のような順で受けて取得していけると良いかと思います。
その後は、業務の親和性に応じて、データベースよりの技術を習得するも良いと思います。
ただし、機械学習系エンジニアリングに進む際にG検定、E資格が必要かと言われればそんなことはない印象です。G検定は実務のための資格ではありませんし、E資格を取得するにはお金がかかりすぎます。
SES系のデータサイエンティスト
SES系のデータサイエンティストも基本的には同じようなプランが良いかと思います。
加えて、その会社の取得推奨している資格なんかを取るのが最適解かと思います。そのSESの所属元も、推奨している資格があることで人材を派遣しやすくなる、という戦略があるはずですし売り上げを立てやすくなるということもあります。SESとしてやっていくのであれば、会社の売り上げをあげていくことがやはり重要なので、SESデータサイエンティストは資格を取るに越したことはないでしょう。
その分野を体系的に学びたい
これは特に統計検定に関してですが、統計学の分野をある程度体系的に学ぶにはもってこいの資格です。大学時代の定期試験を思い出しながら受験しました。懐かしかったです。
とはいえ、意外と難しい問題も出題されたり、一筋縄ではいきません。
これはIPAの基本情報や応用情報も同じですね。特定の分野を体系的に学ぶことでき、その分野を理解していることの証明となるので非常に有用かと思います。謂わば、その分野を修めている証明にもなります。
サイエンス系を体系的に学び、それを証明したい場合は統計検定の取得を目指して頑張ると良いかと思います。
エンジニアリング系を体系的に学びたい場合は、IPAの基本情報や応用情報の取得を目指して頑張るのが良いかと思います。
そもそも資格が役に立たない議論はなぜ発生するのか
資格が必要か必要でないかと言われれば、あった方が良いに決まっています。資格の有無しか差がない場合なら、間違いなく有資格者を採用するに決まっています。
ではなぜ、資格は不要だという議論は発生しうるのでしょうか。
理由①:勉強と実務は違うから
机で勉強したことが、明日仕事の課題解決に直結することはごく稀です。そういった観点から資格の勉強は実務には役立たない→資格はムダという理論です。
当然ですね。主張はよく分かります。そんなこと言う人には、「じゃああなたの大卒もムダですね」ニッコリと言ってやりましょう。
資格は、目の前のあなたの仕事の解決のために取得するのではないですから、そもそも論点が違うのです。資格の取得が実務に役立つか、と言われれば、役に立たない資格も多くあるかも知れません。
99%の人材は、資格なんて要らないほどのプレゼンスを持っているわけではないので、資格によるセルフブランディングのようなことは必要かと思います。特に経験に自信がないのならなおさらです。
理由②:取得に時間がかかるから
取得に時間がかかるのは、確かにめんどくさいですよね。
多くの資格が、取得までにおよそ1ヶ月から長くて半年ほど時間を要したりました。ずっと資格の勉強をしていることは稀ではありますが、明日の自分の業務を助ける知識を今日1日頑張って身につけた方が、進歩しているように感じることができますので、有効なそうに感じます。確かにそれはそうです。
確かに、長くて半年もかけて取った資格が今日明日の仕事の役に立ちにくいとするなら、資格は必要ないという主張に至極真っ当に感じます。
ただ、取得に時間がかかるならこそ、やはり価値があるように私は思います。みんな同じように取得までに時間がかかって難易度も高いなら、それは資格の価値の裏返しなのではないでしょうか。
時間がかかる上に難易度も高い資格に挑戦しようとしているあなたは素晴らしいです。例え不合格だったとしても、合格に向けて長期間準備して努力を続けたのなら、積極的に他者に言う必要はありませんが、内なる自信にしてください。
そして、結果が伴わないとしても、内なる自信にできる分、資格が役に立たないことはないと思います。
理由③:取得していないことを正当化したいから
取得していないことを正当化したい、という理由は、個人的には一番有力な理由だと思っています。
資格を取得した方が良いことは、分かりきっています。それでも資格を取らない上に、「役に立たない」という人たちは、自分の努力不足を正当化したいだけだと思います。
役に立つか立たないかは、取得した人が語るべきであり、取ってない人がやんややんや言うべきではないですよね。「取ってから言え」と。
結論
最後に結論です。ちょっとデータサイエンティストらしくまとめると、、
データサイエンティストは資格を取る必要があるかどうか。
結論、取れるなら取った方が良い。
なぜか。不要論も根強くあるがどう考えるべきか。
資格を取得することは、取得して役に立つ期待値が正の値であるわけです。しかも0以上の。
つまり、役に立たない=取得しても意味ない=0のこともあれば、役に立つ>=0ということが確率的に(人それぞれ状況に応じて)発生しうるのだとしたら、資格取得=期待値>=0になるという結論です。
ありがとうございました。
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