シン・フォーメーション論
出版社:ソル・メディア
著者:山口遼
カテゴリー:スポーツアナリティクス
評価:★★★★★
目次
- 本書の概要
- 本書の感想
- 関連書籍など
本書の概要
本書の目次構成
- 第1章 サッカーとはゲームである
- 第2章 ゲーム構造から導くサッカー配置論の基礎
- 第3章 フォーメーション解釈の新フレームワーク
- 対談① 五百蔵容 サッカーという「ゲーム」を考える
- 第4章 シン・フォーメーション分析:守備編
- 第5章 シン・フォーメーション分析:攻撃編
- 対談② 吉田達磨 現場ではフォーメーションとどのように向き合っているのか
本書の概要
本書は、サッカーをゲームとして考えるところからスタートします。そのゲームの定義を定め、その次に要素を分解していきます。
その要素について、サッカーに当てはめていき、サッカーの変数を定めて、それを動かして分析するというアプローチになります。
その変数を
①ボールの位置
②味方の位置
③相手の位置
④時間
として考えます。変数として考える考え方に非常に共感しました。
この①〜③の要素から、それに付随する変数もある程度機械的に決まってきます。ボールの保持者や、その保持者が選べる行動の選択肢などが副次的に決まってきて、これを云々と論が展開されます。
そしてこれらの内容をベースに、守備と攻撃における現代のフォーメーション論を展開しております。
本書での内容を読んでいると、最先端の戦術を使いこなしているトップリーグのトップチームの監督やコーチのお話を聞いてみたいものですね。
さて、本書の著者、山口遼さんですが、私より年下の1995年生まれと非常に若い。ユースこそ経験されているようですが、トップチームでの経験はないようですが、このような経歴の方が、Jリーグのトップチームで指揮を取り、リーグ優勝なんてしてくれたら大興奮ですね!
日本のユリアン・ナーゲルスマン監督のような人物になって欲しいですね!
本書の感想
非常に良い書籍です!
サッカーという流動的なスポーツで、変数を定めるという大胆な考え方が非常に好きです。どういったことを変数として考えて分析を進めていくのか、これが非常に肝になる考え方だと思います。
サッカーにおけるスポーツアナリティクスを仕事としてやりたい私には非常に良い道標を示してくれたなーと考えています。
本書の中でも「日本のデータサイエンティストのみなさんに、何とかしてほしいなと勝手に思っています(笑)」(p.165対談①より)とあるように、是非とも立候補させていただきたいと思っています!
早速Twitterでアクションを取ってみたいと思います!
さて、本書の著者とは違うのですが、以前データスタジアム株式会社さんのウェビナーに参加した際にゲストで来られていた元現場のアナリストの方ががおっしゃっていたことがあります。
それは、「第3者の視点から観測できることで批評するのは、現場からすると筋違い。対策していないわけがない。結果を出せないという結果は受け止めるにしろ、本当にやり尽くしている。」という趣旨の発言をされていました。
これを聞いて「やっぱりそうだよなー」と思いました。
外野はいくらでも批判できるし、分析もし尽くした上で、それぞれの選手を掌握することも必要だしコンディションも把握しなければならないし、外野がわかることの数十倍の情報を得た上で、試合に挑んでいます。
本書を読み、そのウェビナーを聞き、そう思いました。
サッカーにおけるスポーツアナリティクスのヒントを求めている方にはおすすめです!!
関連書籍など
合わせて読んで欲しい
【人気記事ランキング】
【新着記事】
コメント