書評:『生涯投資家』著:村上世彰/文春文庫

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村上世彰さんによる自叙伝「生涯投資家」の書評します。

タイトル:生涯投資家

タイトル:生涯投資家

著者:村上世彰

出版社:文春文庫

評価:★★☆

目次

  • 本書の概要
  • 本書の感想
  • 関連書籍など

本書の概要

本書の目次構成(一部)

  • はじめにーなぜ私は投資家になったか
  • 第1章 何のための上場か
  • 第2章 投資家と経営者とコーポレート・ガバナンス
  • 第3章 東京スタイルでプロキシーファイトに挑む
  • 第4章 ニッポン放送とフジテレビ
  • 第5章 阪神鉄道第再編計画
  • 第6章 IT企業への投資
  • 第7章 日本の問題点ー投資家の視点から
  • 第8章 日本への提言
  • 第9章 失意からの十年

本書の概要

世間でも注目を集めた、「村上ファンド」ですが、すでに記憶の彼方に消えていってしまって人も多いのではないでしょうか。
個人的には「株主至上主義」に対して色々と意見の飛び交う今こそ再び注目されてもいいのではないかと思う書籍です。

さて、本書の概要としては、村上世彰さんの今までを回顧する内容になっております。
なぜそのような考えに至ったか、どういった歩みを辿ってきたかなどが記されており、あれだけ世間を騒がせていたイメージがひっくり返ったような印象です。
今ではシンガポールで穏やかに暮らされているようで、さらに印象が良くなりました。

私自身は、本書を読んだくらいの時期にITバブル全盛期に関する書籍を読んでいたので、ライブドア堀江さんとの関わりなどが濃密に読めるかなーと勝手な期待値を持っていましたが、私が思っていたほどそこまで深くは触れられておりませんでした。

しかし、内容面などは非常に充実しており、ぜひ手にとって欲しい一冊です。

本書の感想

本書の感想は、非常に面白かったという点になります。
本ページの冒頭で★を3つにさせていただいたのは、やはり万人向けではない内容となっているからです。
村上ファンドとは、世間からどう写っていたのか、投資家という人たちの経済的な役割、そして会社活動など、自分との関わりがなければなかなかイメージしにくい部分がありそうだな、という印象です。

感想としては、非常に良かったものの、おすすめ度としてはあまり高くできないかなと思っています。
しかし、一つ一つのキーワードや役割、存在意義などをなんとなくでもイメージできる人はぜひ読んでいただきたい一冊となっております!

愛用のKindle

また、私にとっては、実はちょっと小難しい一冊でした。
まだまだ駆け出しの社会人(とはいえもうすぐ30歳…)ということもあり、会社というものがどういうものなのか、そして社会がどう動いているのか、などが漠然としか理解していなくて、わからない単語を調べつつの読了となりました。

そんなこんなで、なんとか読み終えるとこれはこれで、気持ちのいい気分になれたというか知らなかったことを一つ知ることが出来たような気になれました。
いま現状、本書で得た知識や村上さんの経験された内容がすぐに人生に生きてくるかと言うと、答えは間違いなく「No」だと思います。

しかし知らない分野や興味はあるけどなかなか触れない分野については、まず知る機会を設けることからがスタートだと感じています。
「あーやってみたいなー」「ちょっと興味あるけど、いま忙しいから」なんて言っていると、死ぬまで触れないまま、言い訳が積もり積もって何も出来なくなるんだなあと思っています。

言い訳をしなければ、自分を縛るものなんてないと思います。色んな物理的限度はあるものの、時間を作ることも、挑戦することも、本人次第ですよね。

そう思えたので、本書を読んでよかったなあと思っています。

関連書籍など

  • マンガ 生涯投資家 出版社:文春e-books
  • 村上世彰、高校生に投資を教える 出版社:角川書店単行本
  • いま君に伝えたいお金の話 出版社:幻冬舎文庫

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