本記事では、駆け出しデータサイエンティストにとって、何が大事かを考えた結果を記載していきます。私自身が感じたことなどを書いていくので、必ずしも全ての駆け出しでータサイエンティストの方に当てはまるわけではないですが、ぜひ参考にしていただけると幸いです。
時間がない方向け 本記事の要約
【求められていること、を考える】
- 社会/会社(企業)/”あなたの会社”が求めているデータサイエンティストは違う
- ”あなたの会社”に近いほど、専門知識は狭められる
【求められていることは?】
- 専門知識が必要だが、駆け出しなので比較的、程度は低い
- 結局は誠実さ謙虚さ、馴染めるか、が必要
駆け出しデータサイエンティストを定義する
まず始めに、駆け出しデータサイエンティストを定義します。
ここで言うところの駆け出しデータサイエンティストとは、新卒や未経験データサイエンティスト(実務経験2年未満くらい?)とします。
特徴としては、実務を一人だけでは遂行しきれないくらいのレベル感です。なので、エンジニアリングやサイエンスなどをバリバリ勉強していきた新卒であっても、ビジネス分野や社会人としてのマナーや一般的な常識の欠如(未熟さ)などがあればこれに該当するイメージです。
こういった人たちを、「駆け出しデータサイエンティスト」として定義することにしましょう。
データサイエンティストは何が求められているのか
データサイエンティストは何が求められているか。経歴などが詐称されていない限り、駆け出しであることを前提として採用しているでしょう。それを踏まえてみます。
”社会”は、データサイエンティストに何を求めているか
こと日本において、データサイエンティストが社会から求められていることは、やはりデータサイエンスを用いたDXの推進でしょう。この点で、ITエンジニア的な仕事もあるでしょうし、サイエンス的なより効率的なデータ活用などもあるでしょう。
いずれにしろ、大局的に見て、データを扱った上で「どうこうできる」の選択肢が幅広い人材のように感じます。
ここで、「データサイエンティスト協会」の設立背景をみてみましょう。
昨今、センサー・通信機器の発達、ネットサービスの普及などにより、収集・蓄積が可能なデータの種類と量が急激に増大しております。そして、これらの膨大なデータ(ビッグデータ)から、ビジネスに活用する知見を引き出す中核人材として「データサイエンティスト」に注目が集まっております。
データサイエンティスト協会HPより
この流れを受けて、企業では当該人材の獲得・育成に力を入れようとしておりますが、実際には新しい職業である「データサイエンティスト」には明確な定義がなく、対応領域も広いことから、さまざまな課題も生まれています。
特に、人材の期待役割とスキルセットのミスマッチにより、データ分析から想定した成果が得られない、あるいは経験や能力を職場で十分に活かすことができないといった状況が頻発しています。このような状況を放置していては、今後、いわゆるビッグデータ関連市場の健全な発展にも影を落とすことになるという問題意識から、当協会を設立いたしました。
要するに、個々の企業では、「データを集められるようになったけど、活用できないからデータサイエンティストを雇おう!」となったわけですね。
しかし、それだけではダメだったようです。何が起きたかというと、「データサイエンティストって聞いてた感じと違う…」となってしまったわけですね。
まだまだ「データサイエンティスト」は社会から「IT関係は万能で、高度な統計が扱えて、最近ではAIの開発なんかもいけるらしい」となっているように感じます。
そうです。それが「”社会”から求められている、データサイエンティスト」像に他ならないのです。
”会社”は、駆け出しデータサイエンティストに何を求めているか
次に、個別の企業はどうみているのでしょうか。
「データサイエンティストは万能らしい」と考えているとして、その企業は、その会社の課題を解決したいと考えます。(もしくは伸ばしたい)
ということは、その特定の企業にそれぞれ求める(もしくは必要な)能力があるはずです。
AIを開発して、業務効率を上げたいのか、製造ラインで異常検知をしたいのか、はたまた経営課題をデータで導いていきたいのか。
ここまでくれば、ある程度業種や関わる業務範囲によって、何が求められているか見えてくる気がします。
では、何が具体的に必要か、については一旦置いておくとして、社会が求めている「万能感のあるデータサイエンティスト」である必要はないことがわかってくると思います。ここを理解することが最も大事です。
万能であることよりも重視されることとして、その業界のドメイン知識などが挙げられます。ドメイン知識については、その業界での業務経験が増えれば十分にカバーできますが、あるに越したことはありません。ドメイン知識があることで、さらに何が求められているかより明確に見えてくるはずです。
”あなたの会社”は、駆け出しデータサイエンティストである「あなた」に何を求めているか
最後に、「”あなたの会社”」は「”駆け出し”データサイエンティスト」に何を求めているでしょうか。
「”あなたの会社”」はこれから入りたい企業でも構いませんよ。
ここまで、順を追って読んでいただければある程度、どういったことを想像すれば良いかわかってくると思います。
「”あなたの会社”」がどんな企業で、「”駆け出し”データサイエンティスト」はデータサイエンティストとしてのレベル感の問題。そしてそのレベル感も企業のデータサイエンスレベルの具合によります。有名でなかったり、専門の部署がなければ、大したことがないことの方が大半です。
どんな業界で、どんなレベル感なのか。
これがわかれば、何が求められているか必然的に想像できるようになると思います。
求められていることは必要とされていること
何が求められているか、見えてきました。求められているということは、間違いなく必要とされていることです。だって求められているのですから。
「求める」という形になって必要なものが見えてくることもありますが、当然「求めていない」けれど「必要なこと」もあります。これは潜在的な需要でありますが、駆け出しの方は、表出している求められている必要なことを確実に実行していくこと以外ないでしょう。
哲学的な話になってきてしまっているので、話を具体的にして進めていきましょう。
じゃあ駆け出しデータサイエンティストがやるべきことは?
具体的にやるべきことを考えます。
まずは、何があなたにできるかを整理しましょう。
どんな大学・学部を卒業した?資格は持っている?どんな職務経験がある?こういったことを洗いざらい出します。
駆け出しなんですから、あなたに多くのことを期待していないことが一般的です。業務で幅を広げていくなら、仕事で結果を出すしかありません。
ということは、「仕事で結果を出すこと」。これが最も大事です。資格を取ることではありません。まずは「”駆け出し”データサイエンティスト」であるあなたが会社から求められていることは、「仕事で結果を出すこと」です。2回も書いてしまいました。
ここでいう結果とは、大きな売り上げを立てたりとか、大幅な業務効率化を実現するなどではありません。
ちゃんと会社に馴染んで(ワイワイ系の会社なのか、ソロプレイヤー集団なのかも含めて)いるかどうかや、それを踏まえた上で頼んだことを100%以上で戻せるかどうかが結果を出すということです。
さらにそれが1回きりではダメです。継続して3ヶ月は最低継続してやっていければ、いい感じとして認めてくれるでしょう。
あれ? 結局・・・?
そうです。
結局のところは、新卒の頃の気持ちを思い出して、謙虚に誠実に頑張るだけ。それが駆け出しに求められていることなんです。
ただ、データサイエンティストという専門分野の知識が加えられている分、その知識はいかんなく発揮するとして、という前提がありますが。
ただその点については、レベル感の問題。簡単なモデリングができたり、データ抽出ができればOKだったりしますので、そこで手を抜かずに頑張れるかどうかが大事ということでです。
まとめ
まとめます。
【求められていること、を考える】
- 社会/会社(企業)/”あなたの会社”が求めているデータサイエンティストは違う
- ”あなたの会社”に近いほど、専門知識は狭められる
【求められていることは?】
- 専門知識が必要だが、駆け出しなので比較的、程度は低い
- 結局は誠実さ謙虚さ、馴染めるか、が必要
コメント