現役東大生が書いた地頭を鍛えるフェルミ推定ノート
出版社:東洋経済新報社
著者:東大ケーススタディ研究会
カテゴリー:教養
評価:★★★★☆
目次
- 本書の概要
- 本書の感想
- 関連書籍など
本書の概要
本書の目次構成
- PART1 1000問解いてみてわかった!フェルミ推定6つのパターンと5つのステップ
- chapter1 フェルミ推定の基本体系
- chapter2 フェルミ推定の基本5ステップ
- PART2 6+1パターン15問のコア問題で、地頭を効率的に鍛える!
- 個人・世帯ベースでストック問題を求める問題
- 法人ベースでストック問題を求める問題
- 面積ベースでストック問題を求める問題
- ユニットベースでストックを求める問題
- マクロ売上を求める問題
- ミクロ売上を求める問題
- 「マクロ需要÷ミクロ供給」でストックを求める問題
本書の概要
こうなっています。順を追って説明していきます。
ストックとフロー
ストック → 一時点での存在量のこと(ex.日本における自動車の数)
フロー → 一定期間の変化量のこと(ex.日本における自動車の市場規模(年間))
【ストック問題】所有アプローチと存在アプローチ
- 所有アプローチ
- 手掛かりとして「モノを所有している主体」をベースとする時(ex.誰が持っているか)
- 存在アプローチ
- 手掛かりとして「モノが存在する空間」をベースとする時(ex.どこにあるか)
【フロー問題】マクロ売上推定とミクロ売上推定
- マクロ売上推定 → 需要(買う側)からの推定
- ex. 自動車の市場規模 → 需要の主体である、世帯から推定
- ミクロ売上推定 → 供給(売る側)からの推定
- ex. スタバ1店舗の売上 → 座席数、営業時間、稼働率、回転率などから推定
基本ステップ
例題:日本における「Volvic」の年間消費量は?
- 前提確認
- 問いに対する定義を明確にする。
- ex. ①500ml以下のペットボトルと②500mlより大きものに分類
- 個人が持ち運ぶか否かで分類するため。
- 個人が持ち運ぶか否かで分類するため。
- アプローチ設定
- ①の年間消費量
- 日本の人口×ミネラルウォーター(以下MW)の平均消費本数×ボルビックのシェア×ボルビックの平均容量
- 日本の人口×ミネラルウォーター(以下MW)の平均消費本数×ボルビックのシェア×ボルビックの平均容量
- ②の年間消費量
- 日本の世帯数×MWを買う世帯の割合×WMの平均消費本数×ボルビックのシェア×ボルビックの平均容量
このステップでは、いわゆる「冗長的に分解」しています。この考え方は非常に有効です。冗長的に分解することをKPIの設定などではスムーズにできるようになると非常に強いスキルですよね。
- 日本の世帯数×MWを買う世帯の割合×WMの平均消費本数×ボルビックのシェア×ボルビックの平均容量
- ①の年間消費量
- モデル化
- アプローチ設定で定めた式の中の要素を、前提知識や肌感から仮定値として代入していく。
- この段階で、肌感として持っている、比較的確かな情報を軸にして、周辺の情報を仮定値として推論し当てはめていく。
- 計算実行
- そのまま計算します。
- そのまま計算します。
- 現実性検証
- 計算を実行して、現実的な数値か検討します。
- 一般的にフェルミ推定は正確性を追求するものではなく、概ね桁が合っていれば正解と考えることが多いようです。
- 数値がおかしい場合は、モデル化で仮定値として代入している数値を見直していきます。
- その後、ステップに戻って計算→検証を繰り返します。
(※テキストからそのまま引用しましたが、こちら正確な答えは2021年以降0になります。なんとVolvicは2020年いっぱいで、販売を終了しているのです…https://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000188467.html
本書の感想
非常に簡単に、フェルミ推定の概要を前章で解説させていただきました。
本サイトでも、『仮説思考』であったり『イシューから始めよ』などの書籍を紹介させていただきました。
どちらの書籍でも、『仮説』の重要性を解いています。この『仮説』に対して、ある程度のロジックを持って、かつ、大きく外れない『仮説』を提示するために『フェルミ推定』を用いることで、非常に力強いツールになります。
上記のことを本書を通して学ことができます。
そう考えた時に、本書を読むとき非常にワクワクしました。さまざまな勉強を重ねることでたどり着く場所であるとも思います。
そして中身を読んでみましたが、結構自分の”あたり”って外れるんですよね…
なかなかそれらしい分解もできないし、あたりもつけられない。こんな感じの分解が良さそう!と思っても、分解した要素の数値などをうまく想像できなかったり…
正直なところ、さっくりとしか本書掲載の問題を解くことができませんでした。
ただ、さっくりでも解いてみて、非常に解き応えのある問題が多かったです。
私自身としては、おおよその予測を立てられる『フェルミ推定』を知ることが大目標だったので、本書を通して、それは達成させられたので満足です。
じっくり問題は解かなくとも、フェルミ推定を理解するだけなら十分な入門書になります。まずは手に取ってみる書籍としては非常に有用です。
ロジカルシンキングの練習にもなると思います。おすすめです。
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