海獣学者、クジラを解剖する
出版社:山と渓谷社
著者:田島木綿子
カテゴリー:生物学
評価:★★★★☆
目次
- 本書の概要
- 本書の感想
- 関連書籍など
本書の概要
本書の目次構成
- 1章 海獣学者の汗まみれな毎日
- 2章 砂浜に打ち上がる無数のクジラたち
- 3章 ストランディングの謎を追う
- 4章 かつてイルカには手も足もあった
- 5章 アザラシの睾丸は体内にしまわれている
- 6章 ジュゴン、マナティは生粋のベジタリアン
- 7章 死体から聞こえるメッセージ
本書の概要
本書は、国立科学博物館で研究員をされている田島木綿子さんによる、打ち上げられたクジラ(鯨類)の解剖や調査の奮闘記になります。
日本一といっても過言ではないくらいに日本中を飛び回り、クジラの打ち上げられた情報を元に現場に駆けつけているようです。
本書の中では、それに伴う苦労話やおもしろ話がたくさん記載されています。
また、「クジラが打ち上げられた〜」などの単語が出てくると、「地震の予兆だ!」とか「海の環境が汚染されている!」など、偏りがちな意見が出てきてしまうのをよく目にしていますが、そういった書籍ではありません。
生粋の「動物好き」が、海獣類を好きが故に辿り着いた天職のお話です。
本書を読んでいて、「本当に動物が好きなんだな〜」と思える一冊です!
本書の感想
本書を手に取った理由にもなるのですが、私は学生時代にクジラを研究していました。それゆえ本書に惹かれました。さらにいうと、田島先生の解剖を一度手伝ったことがあります。
ストランディングされたイルカを解剖したのですが、ものすごい手際で解剖されており、途中途中でその解説を交えながら解剖してくれる凄腕ぶり。本当にすごかったです。
そういった背景もあり、私自身、本書に載っている内容について知っていることも多かったです。
ただ、クジラを研究するといっても、一学生のできることでしたし、私がしていたのはサークルレベル。(とは言え、活動内容には自信がありますが…w)
とてもじゃないですが、田島先生の前では頭が上がりません!w
だから本書が発売されていることを知ったとき、飛びつくように購入しました。
「田島木綿子って、一回解剖教えにきてくれた科博の先生だ!間違いない!絶対に面白いぞ!」
このように思い購入させていただき、案の定知っていることは多かったものの、現場の惨状(臭いとかグロさとか)を見事に表現されていたり、先輩も大変そうにしていたな〜同期も大変そうだったな〜と色々と思い出が蘇りながら読ませていただきました。
多くの人にとっては、なかなか経験を通して知り得ることではないと思います。そのため一読の価値アリアです!
個人的には満点の評価なのですが、皆さん目線で★4つにさせていただきました。
クジラに興味がある方は、ぜひ手に取って読んでみてください。水族館でしか見たことない方は特に!
関連書籍など
合わせて読んで欲しい
【人気記事ランキング】
【新着記事】
コメント