レーダーチャートは、複数の変数を一度に比較するのに役立つ可視化手法です。それぞれの軸が異なる変数を表し、各変数の値に応じてポイントがプロットされ、それらのポイントが結ばれて一つの形状が作られます。この記事では、Pythonを使って簡単にレーダーチャートを作成する方法について説明します。
使用するライブラリ
Pythonでレーダーチャートを作成するには、主に以下の2つのライブラリを使用します。
- Matplotlib: Pythonのグラフ描画ライブラリで、様々なグラフを簡単に描画できます。
- Pandas: データ解析を支援する機能を提供するライブラリで、データの読み込みや加工を行います。
Polar plot — Matplotlib 3.8.4 documentation
サンプルデータの作成
この例では、以下のような5つのカテゴリの評価データを持つ3人の人物についてレーダーチャートを作成します。
- Communication
- Problem Solving
- Teamwork
- Creativity
- Time Management
まずは、データをPandasのDataFrameに格納します。
import pandas as pd
data = {
'Name': ['Alice', 'Bob', 'Charlie'],
'Communication': [3.5, 4.2, 3.8],
'Problem Solving': [4.1, 3.5, 4.4],
'Teamwork': [4.0, 3.7, 4.3],
'Creativity': [3.8, 4.5, 4.1],
'Time Management': [4.2, 3.9, 4.0]
}
df = pd.DataFrame(data)
レーダーチャートの作成
次に、Matplotlibを使ってレーダーチャートを作成します。以下のコードを実行してください。
import numpy as np
import matplotlib.pyplot as plt
import pandas as pd
# 各カテゴリの数
num_vars = len(df.columns) - 1
# 各軸の角度を計算
angles = np.linspace(0, 2 * np.pi, num_vars, endpoint=False).tolist()
angles += angles[:1] # 最初の要素を最後に追加して閉じた図形にする
# チャートの見た目を整える
fig, ax = plt.subplots(figsize=(6, 6), subplot_kw=dict(polar=True))
plt.xticks(angles[:-1], df.columns[1:], color='grey', size=12)
plt.yticks(np.arange(1, 5.5, 1), color='grey', size=10)
plt.ylim(0, 5)
# レーダーチャートにデータをプロットする関数
def add_to_radar_chart(ax, angles, data, color, label):
values = data.tolist()
values += values[:1] # 最初の要素を最後に追加して閉じた図形にする
ax.plot(angles, values, color=color, linewidth=2, label=label)
ax.fill(angles, values, color=color, alpha=0.25)
# 各人物のデータをプロット
colors = ['b', 'r', 'g']
for i, row in df.iterrows():
add_to_radar_chart(ax, angles, row.iloc[1:], colors[i], row['Name'])
# 凡例の表示
ax.legend(loc='upper right', bbox_to_anchor=(1.3, 1.1), fontsize=12)
# チャートの表示
plt.show()
このコードでは、まずadd_to_radar_chart
という関数を定義しています。この関数は、指定されたデータを使ってレーダーチャートにポリゴンを描画します。次に、for
ループを使って、各人物のデータをプロットしています。最後に、凡例を表示し、チャートを表示しています。
実行すると、3人の人物のスキルを比較できるレーダーチャートが表示されます。このチャートを使って、各人物の強みや弱みを一目で把握できます。
まとめ
この記事では、Pythonを使ってレーダーチャートを作成する方法を紹介しました。MatplotlibとPandasライブラリを使うことで、簡単にレーダーチャートを作成し、複数の変数を一度に比較できます。この技術を活用して、データ分析や可視化に役立ててください。
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