7つの習慣
出版社:キングベアー出版
著者:スティーブン・R・コヴィー
カテゴリー:ビジネス書/自己啓発
評価:★★★★★
目次
- 本書の概要
- 本書の感想
- 関連書籍など
本書の概要
本書の目次構成
- 第1部 パラダイムと原則
- 第2部 私的成功
- 第1の習慣 主体的である
- 第2の習慣 終わりを思い描くことから始める
- 第3の習慣 最優先事項を優先する
- 第3部 公的成功
- 第4の習慣 Win-Winを考える
- 第5の習慣 まず理解に徹し、そして理解される
- 第6の習慣 シナジーを創り出す
- 第4部 再新再生
- 第7の週刊 刃を研ぐ
本書の概要
言わずと知れた自己啓発の最高峰です。
主体的である
まず初めは「主体的である」という習慣です。本書ではその言い換えとして「関心の輪・影響の輪」というのがあり、こちらについてはもしかしたら耳にしたことがあるかもしれません。
影響の輪を広くしていくことが、「主体的である」ということにつながっていきます。
受けた刺激に対して自分自身がどのような反応を選択するか、ということが人生にとって大事であって、「主体的である」ということは、選択する反応を自由に選ぶことができる状態を言います。
すなわち、
「主体的である」→「刺激に対する反応を選択できるようになる」→「影響の輪を最大化できる」→「自由な人生を手にする第一歩を踏み出した」
というような主張であると、僕自身は解釈しました。
終わりを思い描くことから始める
本書で紹介されている「終わりを描くことから始める」とは、自分の死を考えた時に、誰が悲しんで、誰が看取ってくれていて、どのような心境で旅立つか、を明確にイメージすることです。
特に以下の文章が、最たる表現かなと思います。
終わりを描くことから始めるというのは、目的地をはっきりさせてから一歩を踏み出すことである。目的地が分かれば、現在いる場所のこともわかるから、正しい方向へ進んでいくことができる。
「7つの習慣」より
こちらの部分については、タイトルそのままの内容でイメージしやすいかなと思います。
最優先事項を優先する
こちらもタイトルの通りとなるのですが、第二の習慣で定めた、最終的な到達点に到達するために、何をしなければならないかを順位づけするということになります。時には実行するのに躊躇ったり、気が進まないこともあるかもしれないが、それを淡々と実行していく力をこの習慣で身につけるということになります。
そして、「最優先事項を優先する」の裏返しとして、「何を実行しないか」ということを決めることでもあります。これは非常に勇気のいることです。私自身も、OKR面談で森谷さんから「目標の断捨離」をするように勧められた経験がありますので、本書の言うことがよくわかります。
きっと「終わりを描くことから始める」ことができていなくて、「最優先事項」(こうなりたいという目標)を定めきれず、「目標の断捨離」をする必要が出来てしまったということになります。
この「最優先事項を優先する」というのは、考えてみれば当然なのですが、実行するとなると意外と難しいというのが、少ないながらも実践した経験です。
Win-Winを考える
「WIN-WIN」は皆さんもよく耳にしたことのある言葉かと思います。この考え方をさらに発展させて
「WIN-WIN or No Deal」
という、WIN-WINでないならば、取引しないという考え方です。なんかより高次元な、崇高な感じしますね。
さて、このWIN-WINの関係ですが、第一〜第三の習慣が実践できていることで到達できるステージであると本書では言っています。
この習慣については、私自身ちょっと理解ができないというか、素直に受け入れられない部分もあって理解が浅いので、これくらいで終わります。
まず理解に徹し、そして理解される
この習慣については、実行していくことができれば、非常に理想的な習慣です。「まず理解に徹し、理解される」。
自分が困っている時や、悩み事があったり、うまくいかいないと苦闘している時に、こんな感じの人がいたら理想的ですよね。
なんだかんだ歳が離れていれば、目線を合わせてくれようと色々と話をしてくれたりしますが、結局それって悩みや課題のある人が話すのではなく、相談を受けている側が一方的に話していることって多いですよね。ちょっと昔の経験を話してもらって理解して納得したような気になるんですが、いざ後でその時のメモとか見返すと、ツッコミどころがあったり…
そんな時に、とにかく傾聴してくれるような人だと、話すだけでスッキリしたりすることができた経験は誰にでもあるんじゃないでしょうか?
極論を言えば、相手の立場になることができませんが、そう理解しようとしていることはよく伝わると思います。悩みを相談しているのに、こちらの話をよく理解もせず、その人の中での解釈でちょっとずれたまま、話が進んでいくと、それはもうただの時間の無駄です。
だからこそ、この習慣で「理解に徹する」ことを説き、「そして理解される」ことが重要であると書かれております。
シナジーを創り出す
まず「シナジー」とは、個々の総和を上回ること。1+1が3にも4にも10にもなる、というような表現を耳にしたことがあると思いますが、まさにそれです。
では、第6の習慣の「シナジーを創り出す」とは、どのようなことなのでしょうか。それはここまでの第一〜第三の習慣が根底にあることを前提に、第四の習慣「WIN-WIN」の状況を作り、第五の習慣「まず理解に徹し、理解される」努力をすることで、実現される、「妥協」よりも高次元な状態のことを言っています。
仕事上で、私はシナジーを経験したことがないので、どんな状態かわからないのですが、この状態を実現できるように、土台を築き、習慣を形成していくことができればいいなと考えています。
刃を研ぐ
さて、最後の習慣となりました。「刃を研ぐ」。それぞれの習慣をより効果的に効率的に行うための自己研鑽のことです。
ここまでの習慣によって形成される人生をより理想的な場所を導く手段として、自己研鑽を積みましょう、という習慣です。
なんかすごく宗教っぽい説教のような感じや意識高い系の大学生的な感じになって嫌なので、これくらいにしておきます。本書を好意的に学ぶ意欲を持って読んでいただければそこまで、嫌悪感を抱くことなく読めると思います。ある程度努力できているような人たちには、その努力を肯定してくれるような章なのでおすすめです。
本書の感想
本書の学びになったことの一番は、「主体的である」でしょう。「お前ほんとに最後まで読んだんか?お?」という煽りは一旦無視して、なぜこの項目だったかというと、個人的には、かなり衝撃的だった以下の本文をご覧ください。
ある日のこと、フランクルは裸にされ、小さな独房に入れられた。ここで彼は、ナチスの兵士たちにも決して奪うことのできない自由、後に「人間最後の自由」と自ら名づける自由を発見する。確かに収容所の看守たちはフランクルたちが身を置く環境を支配し、彼の身体をどうにでもできた。しかしフランクル自身は、どのような目にあっても自分の状況を観察者としてみることができたのだ。彼のアイデンティティは少しも傷ついていなかった。何が起ころうとも、それが自分に与える影響を自分自身の中で選択できたのだ。自分自身に起こること、すなわち受ける刺激と、それに対する反応との間には、反応を選択する自由もしくは能力があった。(中略)すなわち反応を選択する自由である。
「7つの習慣」より
初めて読んだ時、すごく衝撃的で、7つの習慣を覚えるよりこのストーリーが頭にこびりついたほどです。
この状態ってある種危険な状態でもあるのですが、冷静に考えてみて、あらゆることをどう感じるかを自分自身で選択することができると、どれだけ自由か、想像に難くないのですが、皆さんはいかがでしょうか。
日常で考えると些細なことにイラつかなくなる、気の向かない憂鬱なことがなくなる…素晴らしいですよね。
これができると、努力しなくちゃいけないけど気が向かないなんて日も淡々とやるべきことに、日々向き合うことができるわけですよね。
だからこそ、本書に出てくる「7つの習慣」のうち、一つ目の「主体的である」が最も学びになったと考えております。
まあ、とにかくいい本でした。
ただの読書好きというだけだと、人によっては「嫌い」な部類になるかもしれないです。理由は自己啓発だから。
本書は、これからもっと成長したい、成功したいと考えている人に向けた書籍であるため、当然と言えば当然ですね。
そういう意味では、学び続けなければ生きていけないような世界では、重宝されるような自己啓発本かなと思いました。
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