タイトル:みずほ銀行システム統合 苦闘の19年史
出版社:日経BP
著者:日経コンピュータ
カテゴリー:ビジネス書
評価:★★★★☆
目次
- 本書の概要
- 本書の感想
- 関連書籍など
本書の概要
本書の目次構成
- 第1部 IT業界のサグラダファミリア、ついに完成す
- 第1章 三十五万人つき、四千億円台半ば、巨大プロジェクトはこうして始まった。
- 第2章 さらば八○年代、新システム「MINORI」の全貌
- 第3章 参加ベンダー千社、驚愕のプロジェクト管理
- 第4章 緊張と重圧、一年がかりのシステム移行
- 第5章 次の課題はデジタル変革
- 第6章 「進退を賭けて指揮した」
- 第二部 震災直後、「またか」の大規模障害
- 第7章 検証、混迷の十日間
- 第8章 重なった三十の不手際
- 第9章 一年をかけた再発防止策
- 第3部 合併直後、「まさか」の大規模障害
- 第10章 現場任せが諸悪の根源
- 第11章 無理なシステム統合計画を立案
- 第12章 大混乱の二〇〇二年四月
本書の概要
第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行の3行が統合したみずほFGの課題は、統合により勘定系システムの刷新だった。
タイトルの通り苦闘の19年史であり、今なお「みずほ銀行」といえば、システム障害で利用できないイメージが色濃く、脳裏に焼き付いている。
全面刷新に着手してから本書の刊行までの19年を赤裸々に描いている。
なぜみずほはシステムエラーがこんなにも起こるのか。そういったことに焦点を当てて、その原因や理由を克明に記している。
エンジニアにもおすすめできる一冊です!
本書の感想
頻繁にシステムが停止している頃メインバンクとして使っていなかったので影響はなかったものの、当時の上司と一緒にタバコを吸いながら「いつになったらみずほ銀行はまともになるのか。メインバンク変えようかな」という言葉が呼び起こされ読みました。
読んだ感想は、「怖いな」という印象。何が怖いかというと本書ではこの19年の苦闘を基本的に経営陣の責任と書いておりますが、システムのエラーなどは「担当者のミス」という表現を何度も目にしたからです。今の技術力と専門範囲としてこのような業務に関わることはないですが、プログラムを組む際には「あらゆるトラブルを想定し、繰り返し検証をする必要がある」という何度も耳に、目にした言葉を大きな教訓(怖さ)として学ぶことが出来ました。みずほのATMからお金が下せなくて「チッ」と思っていた人は何が起きていたのか読んでみても良いのではないでしょうか。
また、最近になってATMがカードを返さない事件や、窓口業務が開始する直前にシステムエラーが発生して窓口業務ができなくなる事件などがありましたね。
ここへ来て話題の提供に事欠かないみずほはもはや流石なのでしょうか…
(参照:こちらからどうぞ)
そんな筆者も実はみずほユーザーです。メインバンクではないので、大きな被害は被っていないものの、利用すること自体やめてしまおうかなと最近思っています。
しかし、銀行口座を閉鎖するのって、何かと気が引ける。「あれ、こんなのの支払いもここでやってたっけ…」などあると怖いですよね。さらに利子なんてないようなものだし、その割に手数料はふんだくられる…
愚痴はおいてといて。
みずほのシステムエラーについて、「なぜ?」と思ったら手に取って欲しい一冊です!
関連書籍など
- システム障害はなぜ二度起きたか みずほ、12年の教訓
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