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弘文堂から2022年6月に出版されている「AI・データ倫理の教科書」についての書評記事を書いていきます。
もはや当たり前になった「AI」。データサイエンティストとして、間違ったような、ちょっと違うような、と感じることも多いですが、そんな「AI」がいかに社会へ受け入れられていくかは、その「倫理観」も重要です。
そんな「AIに関する倫理観」に関する書籍「AI・データ倫理の教科書」についての書評です。どうぞ。
タイトル:AI・データ倫理の教科書
- 出版社:弘文堂
- 著者:福岡真之介
- 評価:★★★★☆
- カテゴリー:教養
目次構成
- 第1章 倫理の判断の枠組み
- 第2章 各国のAI倫理原則
- 第3章 AI・データ倫理が問題となった例
- 第4章 AI倫理に対する企業の取り組み
本書を読むきっかけ
本書を読むことになったきっかけは、会社の勉強会です。ちょうどこのようなテーマを扱うことがわかったのと、同僚が紹介していたこともありそれに合わせて購入してみました。
もともとこういったことにもちゃんと視線を向けておかないといけないと考えていたので非常にちょうど良かったです。また、データサイエンティスト協会のスキルチェックシートでもこのようなスキル・理解が求められていることもありますので、データサイエンティストの方はまさに知っておかないと恥ずかしい教養になっていくのでしょうね。
本書の概要
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本書はまず、「倫理」について、しっかりとした解説があります。その上で、AI・データ倫理について話を展開します。とはいえ、そんな難しいものでもなく、一般的にイメージされるような「倫理観」を持っていただきながら読み進めれば良いと思います。
次に日本や各国の倫理原則について、比較などしながら紹介してくれます。この章はシンプルに日本の「〇〇の原則」「〇〇性(例:安全性)」などの紹介が入ります。そして世界の場合どうか。ボリュームとしてはかなり少なめの章です。
続いて、本書のメインボリュームとなる様々な事例紹介に入っていきます。ここの事例が非常に豊富です。何かピンポイントで知りたいことがあるということであれば多少は読み飛ばしても良いと思います。
とはいえ、私は結構面白くてサクサク読み進めました。教養として知識を広げていくことが目的であるならば、全体をざっと読んでも良いと思います。それか、各事例の「教訓」をまとめてくれていたりするのでそこをさっと読むのもありかもです。
最後に具体的な企業の取り組みです。「ソニー」「マイクロソフト」「メルカリ」「富士通」の各取り組みを紹介してくれています。知っている人はもしかしたら取り組みかもしれませんが、大企業や勢いのある企業がどんな取り組みをしているのかを知るだけでも、一歩踏み込んだ教養になるかもしれません。
本書の感想
本書はかなり読みやすく、気がついたら読み終わっていたような感じでした。中身も実例ベースの話が大半なので、スッと入ってきやすかったです。
倫理観の話なので、小難しいようなイメージを持つかもしれませんが、自分自身の違和感とか「嫌だな」と思う気持ちなどと比べながら読み進めると入って来やすいかもしれません。難しそうな言葉も出て来たりしますが、上述の通り、「教訓」としてまとめてくれていたりするので、「じゃあどうするべきか」が分かるので、難しい表現があっても問題ないのかなと思います。
気軽に手に取れるビジネス書系の見た目をしていますが、いわゆる高額本に分類される2,600円+税です。これだけしっかりと実例や各国の取り組みなどを掲載されていますし、参考資料もしっかりしたものなので、納得できます。
データサイエンティストに限らず、ビジネスマンとしても読むべき一冊でした!
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