本記事にアクセスいただきありがありがとうございます。本記事を読まれている方は、もしかしたら【肺静脈還流異常症】の疑いなどがあるような方だと思います。不安な気持ちがものすごくあると思います。私もそうでした。少しでもその不安が和らげればいいなと思い、本記事を書かせていただきました。
お役に立てれば幸いです。
さて、本記事では、私の持病である【部分肺静脈還流異常症】について、書かせていただきます。そのほか【部分肺静脈還流異常症】の記事についてはこちらからどうぞ↓
今回は「入院・手術」に関して記事にしていきます。
概要
部分肺静脈還流異常症を手術によって、治療する。私の場合、全身麻酔・正中切開・集中治療室など、医療ドラマなどでしか聞いたことのないような言葉ばかりの大掛かりな手術となりました。
- 術前
- 手術に向けて検査を受ける
- 手術前日から下剤・流動食
- 術中
- 全身麻酔なので全く何も感じません
- そして麻酔が効いている間は記憶もありません
- 私は夢も見ませんでした
- 手術台にまでは自分で歩いていくのでドキドキする
- 術後
- ICU(集中治療室)を経てHCU(高度治療室)、一般病棟と段々に病室が変わる
- 傷口の痛みや、管が繋がっていることのよる苦痛がある
- 毎日のように採血などの細かい検査がある
- 胸骨を開いているので、胸が骨折状態になっている
- 退院後
- 別記事にて詳細を書かせていただきます。
入院・手術の費用について
入院・手術は非常に高額になります。ご注意ください!
私の場合は、限度額適用認定を事前に申請して入院前に取得できたので3割自己負担以下の金額で支払う事ができました。以下詳細を記載しますので、ご参考までに活用ください。
内訳 | 保険点数 |
医学管理料 | 1,790点 |
画像診断 | 180点 |
投薬 | 473点 |
リハビリ | 2,755点 |
手術 | 119,815点 |
麻酔・輸血 | 49,242点 |
入院料 | 28,000点 |
包括診療 | 69,259点 |
合計 | 271,514点 |
上記に加えて、入院中の食事(1食460円/入院日数(長期の場合)によって変わります。詳しくはご自身でお調べください。)、ベッド代がかかります。ベッド代は病院によって変わると思います。私の場合は7,700円(税込)でした。ベッド代は限度額適用認定に含まれないので、入院日数によっては非常に重くのしかかってきます。
以上をまとめると、まずは医療行為に対する料金がかかります。これは保険が適用されます。次に食事代。さらにベッド代といった具合です。
- 医療行為
- 保険が適用されます。よく言う「3割負担」に該当する部分です。
- さらに限度額適用認定を受けると収入額に応じて、支払いの上限額が設けられ、安心して十分な医療を受けられます。
- 肺静脈還流異常症の手術では、限度額適用認定を受けるのは必須と考えた方が良さそうです。
- 食事代
- 前述の通り、1食当たりの料金が法律で決められています。
- 長期でなければ460円 × 3食/日 × 入院日数
- ベッド代
- 1日あたりの「宿泊費」のようなものです。
- 私の入院先は、一般病棟のベッド代でした。ICUは別途かかりましたが、HCUにはお金がかかっていなかったそうです。(看護師さんに教えてもらいました。)
上記のように大きく分けて3つの内容でお金がかかります。
持病があってその他の治療を受けたりすると変わってくるかと思います。あくまで私の経験上の認識となります。
そのため、誤りなどございましたらご指摘をお願いいたします。速やかに修正いたします。
また、制度などはタイミングによっては改正されていたりする可能性もございますので、ご自身でお調べの上、必ず医療機関に問い合わせ等を行って確認してください。
それでは実際にいくらかかったかを以下記載いたします。
- 合計 → 196,000円
- 医療行為 → 57,600円(限度額適用認定区分エ に該当)
- 食事代 → 23,000円
- ベッド代 → 105,000円
- 入院期間 → 19日間
※参照:https://www.gcdental.co.jp/member/hoken/chap04/contents0408.html
手術について
手術は全身麻酔を使用しました。さらに正中切開をします。また、事前の説明では人工心肺を用いると説明をされていました。
これらの理由としては、心臓を外科的に手術するからです。
受けた説明によると、まず全身麻酔をかけて、手術を開始します。次に胸を開いていきます。手術にメスを入れるために胸骨を切ります。(これにより術後胸骨が骨折した状態になります。)人工心肺によって身体機能の維持をした状態で心臓にメスを入れて、患部を治療します。
なんとなくイメージできましたでしょうか。ちょっと考えるとゾッとしますよね。おそらく大まかな流れとしては、部分肺静脈還流異常症の方はこのような処置になるのではないでしょうか。
間違いなく手術の前に主治医より手術の説明があります。この説明をちゃんと聞いて理解するのが良いでしょう。わからない点があればわかるまで質問したり説明したりしてもらいといいと思います。
私の経験では、以上のような手術となりました。
入院中の検査について
入院中は様々な検査を受けます。小さなもので言うと血圧測定からレントゲンや造影剤を用いたCTの撮影まで。
- 体温・血圧・体重
- 毎日測ります。入院中の基本動作って感じです。
- 採血・採尿
- 私の場合は、腎機能が少しだけ良くなかったので、採尿と尿の量を測ってしてモニタリングしていました。
- 採血は2〜3日に1回位行っており、コチラも身体をモニタリングする感じで行っていたのでしょう。
- 胸部レントゲン
- 術後、手術の影響で骨折状態にあるため、そのモニタリングで行っていました。
- 頻度としてはおよそ3〜4日に1回くらいのペースで行っていました。
- 造影剤CT
- コチラは術後に1回だけです。
- 術後の経過を見るために実施されました。
- 血糖値の検査
- 術後約1週間程度、朝昼晩の1日3回計測していました。
それぞれ単体では、大きな苦痛を伴うものはほとんどないと考えていいと思います。
前にも記載した通り、注射が苦手な人はちょっと大変かもしれません。
私は注射自体は平気なのですが、造影剤CTの撮影の際にはうまく点滴の針が刺さらず、針を刺しては血管を探すためにグリグリされ、針を差し直すと言うことをされて、ちょっと嫌な思いをしました。誤解のないようにいっておきたいのですが、針を刺してくれた看護師の方は決して手を抜いていたり、患者に嫌な思いをさせようとしているしているわけではないことを理解していただきたいと思います。そう言うことも起こりうることを頭に入れておくといいと思います。
入院中の生活について
続いては入院中の生活について、手術前と手術後に分けて説明いたします。
手術前
手術前はほとんどする事がありませんでした。入院に向けて検査があるくらいで、それ以外はほぼ暇です。その検査も、病院自体のオペレーションが素晴らしかったので、待ち時間も長く感じなかったですし、待っても10分程度だったのでサクサク終わり、読書が捗りました。
手術後
術後の生活は、大まかに4ステージありました。
- 第1ステージ ICU
- 第2ステージ HCU
- 第3ステージ 動くのがちょっときつい
- 第4ステージ 退院が見えてきた
それぞれ解説します。
第1ステージ ICU 集中治療室
この段階ではほとんど何も出来ないと考えてください。
食事こそ提供されましたが、傷口などの痛みや苦痛で私はあまり喉を通りませんでした。
排泄については、お小水の管がつながっていますので、勝手にお小水は出ていきます。便については、術前に絶食し、食事が喉を通らなかったこともあり、ICUにいる間、全く出ませんでした。
ちなみにですが私はICUに約2日弱入っておりました。
手術中に気管に直接管を入れ肺に酸素の供給を行う処置をしたため、喉の乾燥がひどく、ICUにいる間はとにかく喉が渇きました。看護師さんに「お水をください」と何回言ったかわからないほどです。
この喉の乾燥の影響で、夜間目が覚めてしまいました。他にも要因はあると思いますが、2〜3時間おきに目が覚めては「お水ください」と言って喉を潤し、痛みを堪えながら時間が早くすぎることを願って眠ろうと必死になる、と言うことの繰り返しでした。
ICUでの生活はとにかく耐え忍んで、時間が早く過ぎるよう、寝ることに努めました。手術後直後ということもあり、記憶も若干曖昧です。1日かけて段々と意識(振り返った時に覚えている状態)を取り戻していく感じでした。
※この部分は個人差があると思いますので、参考程度に収めていただけると幸いです。
第2ステージ HCU 高度治療室
「今日の午後、ICU出ましょう」と医師に言われて移った先がHCUでした。
ICUと一般病棟の間くらいに位置付けがされており、一般病棟と同じ並びにありましたが、看護師一人が看る患者さんの数が少ないという違いがあるようです。
HCUではまだ管類が繋がっていると考えた方が良いと思います。同部屋の患者さんも同様な状況でした。
HCUに移る頃には、日々の意識もはっきりしており、ここに移ってから日々の状況などをメモしたりできるくらい回復しつつあある状況でした。
このHCUでの最大のイベントは、身体の状態も良くなってきた際に起こる「管類を身体から取る」イベントかと思います。そしてこれは、入院生活中の最大の苦痛でした。
私自身が男性ということもありますが、お小水の管を抜く時は気持ちとしても恐怖感がありましたし、実際に取る際は、痛みというほどでもないのですが苦痛を伴いました。女性の場合は申し訳ありませんが経験がないので他のページを当たってください。
ただ、これを上回る苦痛を伴ったのが、「ドレーン」と呼ばれてた管を抜く時です。このドレーンは術後の体内の水分などを排出するための管で、大体鳩尾(みぞおち)のあたりにふたつ刺されています。この管が入っている時は、動くときに痛みを伴いますし、抜いてからもドレーンの太さの分単純に体に穴が空いている状態なので、痛かったりします。それよりもこのドレーンを抜く時が本当に痛くて苦痛を伴います。覚悟しておいた方が絶対いいと思います。
ドレーンを抜くときだけは「うっ…」と声を漏らさずにはいられませんでした。
これらの管が概ね身体から取られると(点滴等は除く)身体がだいぶ楽になってきます。
それが次のステージです。
第3ステージ 動くのがちょっときつい
このステージは、管類も取れて、自分でトイレに行くようになり、そろそろ一般病棟にも戻れるというのが見えてきた段階になります。
まだ傷口も痛むし、骨もズキズキ痛む。けど食欲も出てきて、変に動かなければ痛みもなくなってきたという段階に入ります。
これくらいのタイミングで私はリハビリを開始しました。リハビリ開始当初は、呼吸がとにかく苦しかったです。コロナ禍だったのでマスクもするとさらに息苦しく、つらいリハビリでした。
しかし、徐々に痛みに慣れてきたことと痛みが和らいできたこと(回復)によって、動くのがだんだん辛くなくなってきました。リハビリも問題なくこなせるようになり、徐々に負荷をかけてできるようになりました。
動けるようになると、日常生活に戻るイメージを持てるようになり「どれくらい痛みが残るか」とか「しばらくはこういう生活になるかもな」という前向きに考えられるようになってきます。
こうなってきら段階が次のステージになります。
第4ステージ 退院が見えてきた
この段階では、リハビリも満足にこなせて、シャワーなども介助なしに生活できているような状態です。
若干まだ痛みなどはあったりするものの、入院中の日常生活はほとんど問題なく過ごせるようになります。リハビリもこなせているの院内の移動なども自由にさせてもらえるようになりました。
この段階では、すでに退院後の生活に目が向けられるようになっていると思います。
まとめ
手術に当たって、どんな感じかを経験談を基に解説させていただきました。もちろん個人差はあると思いますので、参考程度にお考えください。
入院・手術の前に自分が心配だったことについて書かせていただきました。
まずはお金面。限度額適用認定を申請した方がいいと思います。ベッド代もバカにならないので、とにかくお金がかかる想定をしておくといいと思います。
次に入院中の生活面。入院中の生活は基本的に耐える生活になります。それなりの痛みや苦痛もありました。これらある程度覚悟しておくことをオススメします。思ってたよりキツい、よりも案外平気だったの方が楽ですよね。
以上となります。
まだ退院して間もないので、しばらくしたら術後の経過なんかも記事にする予定です。
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